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源泉100%へのこだわり
日本人ほど世界中で温泉好きな人はいないといわれます。日本国中が穴だらけといってよいぐらい温泉掘削がなされ、温泉施設が次々とできています。一方で、温泉が本来あるべき姿を踏み外して、形だけの利用の仕方になっているという指摘があります。
私達は有機野菜などと同じように、温泉にも品質管理や品質表示が必要だと考え、安全で新鮮な温泉の提供の仕方や設備のあり方に取り組んでいます。そのいくつかをご紹介いたします。
■ 源泉のすぐ近くに浴槽をつくる
いまでは技術進歩で1,000m以上のいわゆる大深度掘削も可能になっていますが、大昔は谷間などに自然に湧出をしている温泉を動物や野鳥たちと共に利用してきたものです。新川渓谷温泉郷では中津川上流の和気湯や周辺の川の中でぶくぶくと自然涌出する温泉を見ることが出来ます。
温泉は生きものです。温度や圧力の低下、空気に触れるなどで変化します。最も望ましいのは湯舟の底から適温で自然湧出していることですが、そういう恵まれた条件はごく稀な場合です。
妙見石原荘では源泉のすぐ近くに「天降殿」という浴場棟を造りました。源泉は地下200mから掘削自噴する54℃の温泉です。その源泉を途中空気に触れることなく適温にコントロールして浴湯の湯口ではじめて地表に開放される工夫をしました。その結果、源泉の成分が浴湯でもそのまま実現されています。とりわけ妙見の湯にたくさん含まれる炭酸成分を逃すことなく浴場に生かすことができました。2年に1度、源泉と浴槽の両方で温泉分析を行い公表しています。
■ 湯量にふさわしい溶槽の大きさ
大きな浴場は開放感あふれリラックスできます。しかし湯量にふさわしい浴槽の大きさでないと、人の汚れなど衛生面のことが気になります。浴槽に対して温泉の量が少ないと循環したり加水したり、温泉の成分に影響を与える加工をしないといけなくなります。
浴槽の衛生基準を満たすためには1時間1ターンの原則というのを専門家は指導しています。
つまり1時間でいっぱいになる浴槽以上は造れないということです。しかし、最近できている温泉施設はそれ以上の大きな浴槽を造って、温泉を循環したり、薄めたりするのがあたりまえになっています。塩素殺菌の臭いがするなど、本来の温泉とはかけ離れたものが温泉と呼ばれていることに疑問を持つ人が増えています。
妙見温泉のある新川渓谷温泉郷では湯量豊富な温泉が自噴しています。
妙見石原荘では、ちょうど1時間で満水になる量、毎分300リットルの温泉が大浴場にあふれ、掛け流しされています。この自然の恵みを感謝し大切にしていきたいと思っています。